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2007年3月20日 (火)

オランダのカノン

entoen.nu | De canon van Nederland.

de【canon】 (カノン,第1音節にアクセント)

大砲は "kanon" で第2音節にアクセント.英語だとそれぞれ"canon", "cannon"で綴りは違うけれど,発音は第1音節にアクセントのあるキャノン.会社名のキヤノン(Canon)はむろん大砲とは無縁で"n"がひとつだけ.観音様に関係があるときいたことがありました.

気になって日本語版ウィキペディアで調べてみたら,「社名の由来: 聖典、判断基準などの意味を持つこの語が精密機器を扱う同社にふさわしいと思われたこと、および社名を決める前に発売を予告した製品名KWANON(観音・未発売)カメラと音が似ていることなどからCanonと名付けられたもの。」
「創立者吉田五郎が熱心な観音教の信者で」
といった記載があった.やっぱり.

ついでに脱線しておくと大砲の中でも砲身の長いものをカノン砲ということがあるのは英語の"cannon"から来たという解説をよく目にするけれど,アクセントなど発音からも大砲が日本に入った経緯からも,オランダ語の"kanon"が元になったと考えたほうが自然な気がしますね.ちなみに"kanon","cannon"の語源はラテン語の"canna"で「葦」とか「筒」のこと.昔日本でも「大筒」(おおづつ)と呼ばれていたのは素直な訳だった.

話を"canon" に戻します.こっちは既に見たように規範とか規準とか規範になるような聖典で,物差しにつかう棒が原義らしい.教会の中とかは別として日常会話でめったに使う語ではないように見えます(音楽のカノンは例外)が,2006年の10月16日にファンオーストロム委員会(オランダカノン開発委員会)が「国史のカノン」(De Canon van de Vaderlandse Geschiedenis)を発表して,けっこう評判になっているらしい.これは「オランダがいかにして現在われわれの住んでいるような国になったかを示す重要な人物,文書,芸術作品,物品,現象,プロセスの全体」を指すとのことで,紀元前3000年くらいの巨石遺跡(Hunebedden)からはじまり,ハンザ同盟,エラスムス,オラニエ公ウィレム,東インド会社はもとより,近いところではアンネ・フランク,テレビ,スレブレニッツァ,多文化社会に至る50の項目が選ばれている.学習指導要領とかとは違って拘束力があるとか微に入り細を穿つものではないけれど,枠をはめられるのがキライなオランダ人の間ではさっそく対案の(alternatief)カノンを作る試みが流行っているとか

面白いのはカノンのホームベースになるこのウェブサイトがあり,カノンがWiki形式で提供されているほか,カノンに関わる様々な文書がダウンロードできるようになっています.

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